銀幕の雫: ラムのお話 その参

2008年12月5日金曜日

ラムのお話 その参

キューバのラムは共産国ならではの
非常に複雑な生産状況や、
販売形態をしているため
なかなか系統立てて説明できないのですが、
ある程度の「こんな感じ」というのを
少しずつ書いていければと思っています。

今回はサンテロシリーズ。


販売元はTecnoazucar(テクノアズーカル)です。
どうやらこの公団の基本方針として
黒人文化と白人文化との融合
がメインテーマになっているようです。

というのも、この会社の販売するラム及び
アグアルディエンテはロン・ムラータサンテロ

2種類あるのですが、それぞれ黒人文化と白人文化とが
融合したために生まれた言葉に由来しています。

ムラータは「混血の女性」を意味し、
サンテロは元々、サンテリア(Santeria)という
主に西アフリカの民俗信仰とカトリック教会などが
混交して成立したキューバ人の民間信仰の
信者のことをサンテロと呼ぶそうです。

このサンテリアという宗教が誕生した背景には
もちろん植民地支配奴隷制度三角貿易などが
深く関係しています。

奴隷としてアフリカから連れてこられた人々には
当然それぞれの宗教があり音楽、踊りなどがありました。
しかし、スペインカトリックの支配者たちは、
その宗教を認めませんでした。
なんせスペインの新大陸侵略の名目は
「カトリックの布教」ということになっていたので
当然と言えば当然ですね。

そこで、アフリカから連れてこられた人々は、
カトリックの聖者に自分たちの宗教の神々を
対応させることによって信仰を続けたのが
このサンテリアの始まりと考えられています。

儀式にはそれぞれの神様ごとに異なった音楽が演奏され、
太鼓で神々と交信し、踊っている人にはサンテリアの神々が
憑依しているとされています。
サンテロのラベルに描かれる太鼓とその演者はこの儀式の
模様を表しているのでしょう。

ハイチの有名なブードゥー教などもサンテリアの仲間。
主にキューバの黒人の間で信仰されている宗教で
アフロキューバン」と呼ばれる
キューバの黒人文化に大きく影響を及ぼしました。

サンテリアをはじめとするアフロキューバの
宗教音楽や踊りはもともと儀式で行われてきたもので、
外部の人間はなかなか見ることができなかったものですが
音楽や踊りの文化的な価値も高く、
近年では文化の継承・紹介を目的にキューバ国立民族舞団などで
それらを見ることができるようになってきたそうですよ。
機会があったら是非一度見てみたいものです。

また悪い癖でバックストーリーにばかり
話が飛んでしまいました。

現在成城石井アマゾン店では
アグアルディエンテ ナチュラル サンテロ
のみのご紹介になっています。

このアグアルディエンテ、以前にも書きましたが、
少し前まではキューバ以外で飲まれることは
ほとんどありませんでした。
ドライな味わいと切れの良さが特徴で、
より現地に近い「モヒート」をお試しになってはいかがでしょう?

ちなみにアグアルディエンテで作るモヒートは
ドラケ」と呼ばれ、本場キューバで親しまれています。

ラムの情報収集ネタ元↓
IFrame

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