銀幕の雫: 12月 2008
アルバータ。
カルガリーのあるカナダの州のひとつです。
そこで造られているカナディアンをご紹介。
ライ麦100%でオーク樽に詰められ、
10年間熟成させられた後、
少量のシェリーや天然のフレーバーを添加し、
さらに熟成させられます。
ライ麦特有のスパイスのようなフレーバーと、
フルーツを思わせる、ほんのりとした甘さがある味わい。

タングルリッジ・ダブル・カスキッド
飲んだ感じはカナディアン・クラブよりも上品で、
まろやかな味わいが喉越しの後も、
しっかりと楽しめる逸品です。
ヴァニラのような甘い味わいがあるので、
食後のゆったりとした時間に、
ロックよりもソーダ割りで楽しみたいウィスキー。
同じ地域で造られているカナディアンは、
クラウンローヤルやブラック・ベルベット、
アルバータ・プレミアムがありますが、
価格的にも味わい的にも、
タングルリッジの勝ちのような感じ。

ネームバリューはまだほとんどありませんが、
このカナディアン、かなぁ~りお勧めです。
ケンタッキーから25日に間に合うように?!と
待望のブッカーズが到着しました。
アサヒビールの担当者と、
約一ヶ月遅れの到着を、
ぎりぎり間に合ったX'masプレゼントと喜びましたが、
結局年内に販売開始する事ができずに、
只今、アサヒビールの倉庫で検品・処理中です。

成城石井の倉庫に入るのは、
来年1月5日を予定していて、
入庫の処理等が済んで、
発送の体制に入れるのが、
1月の7日を予定しています。
既にご予約を頂いている皆様、
今しばらくお待ちくださいm(_ _)m
本当は成城石井カラーで、
ワックスシールをしてもらう予定でしたが、
乾燥するとひび割れるとの事で、
定番の黒いシールになりましたが、
せめてと言う事で、
ジムビームがリボンを赤に変えてくれました。

リボンの色が変わるだけでも、
少しイメージが変わったと、
自己満足ですw
来年の1月24日に開催される、
ウィスキー・フェスティバルで、
成城石井のブースにて、
試飲と、出来れば即売会を予定しています。
また来春、3月下旬か4月の上旬に、
フレッド・ノオ氏を迎えて、
ジムビーム『ブッカーズ』セミナーと、
直筆サイン会を準備しています。
同時に、デビット・ゾペティ氏のアブサンセミナーや、
ウィルソン&モーガンのMr.ROSSIも呼び寄せたり、
キューバからラムの生産者を呼んだりして、
マニアックで内容の濃い、
セミナー&試飲会にしようと、
鋭意準備中です。
どこまで実現できるか分かりませんが、
お楽しみに!
マーテルの新商品が入荷しました。
VSOPの一ランク上の商品として造られた、
「NOBLIGE」
ノブレッジと読むのか?ノーブリッジと読めば良いのか?
弊社の登録は「ノーヴリッジ」となりました。

すっきりとした、クリスタルを使われた、
ボトルに詰められたコニャックは、
オーク樽で熟成された濃い色合いをしていて、
優しくレモンのようなか柑橘系の香りも感じられます。
「ここに陸地果て、海始まる」
ポルトガル史上最高の詩人の一人、
ルイス・デ・カモンイスが、
ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓と
大航海時代でのポルトガル黄金期を賞賛した詩です。
ヨーロッパ最西端、ポルトガルのロカ岬に建つ石碑に刻まれています。
ヨーロッパの他国より一歩先に
インドへの航路開拓に乗り出したポルトガルは
1488年ディアスが喜望峰を発見しました。
東回り航路開拓に遅れたスペインは、
コロンブスによる西回り航路の開拓を余儀なくされます。
そして1492年にアメリカ大陸を発見。
続いてポルトガルも1498年にはヴァスコ・ダ・ガマが
インドに到達しました。
世にいう「大航海時代」の幕開けです。
一口に大航海時代といっても、
航海技術も今のように発達していなく、
ともすれば地球球体説すら完全には信じられていなかった時代
ですから、その海に出る恐怖心たるや想像を絶すると思います。
実際の数字を見ると、正に命がけ。
遭難、難破、疫病感染、敵による襲撃などで
初期の頃の航海の生存率は20%以下だったそうです。
世界初の世界一周をはたし、地球球体説を証明したマゼランは
1519年に出航した当時は265名いた船員も
1522年の帰港時には18名になっていたそうです。
マゼラン本人も亡くなっていたというから驚きです。
しかし、屈強な体と不屈の精神力。
それに知恵と運にさえ恵まれれば、
貧富の差なく富と名声が転がり込むかもしれない。
しかも早い者勝ちで。

現代よりもはるかに階級制度や貧富の差が激しかった当時、
この「貧富の差なく」というのは、
とてつもない魅力を持っていたことでしょう。
そして、そのチャンスを掴もうと、
文字通り命を懸けて未知なる海に出航していきました。
動機が富と名声であれ、
現代に生きる私たちから見ると
その「命がけ」ということ自体、
夢とロマンと大冒険に思えるのでしょうね。
各国のやり取りが本格化するのは16世紀に入ってから。
その頃になると出遅れていたイギリスやフランスも
挽回を図るように海へ出て行きます。
北航路への挑戦や、私掠船を使っての海賊行為。
西航路を支配していたスペインへ対抗していきます。
この海賊についてはまた別の機会に詳しく
書きたいと思います。
もちろん、各国ともに利権をなど、自国の富のために
カリブ海を目指したのでしょうが、
「利益云々は別にして、あの美しい島々を見たら自分のものにしたくなる。」
と吉祥寺のとあるラムバーのオーナーが呟いたように、
美しいものを手に入れたい!!
そんな思いもあったんでしょうか?
夢や希望のイメージが強い大航海時代ですが、
アメリカ大陸の先住民にとっては侵攻と略奪の歴史。
アステカ文明、インカ帝国、マヤ文明などが次々に
スペインによって滅ぼされ、支配されていき、
現在のカリブ海諸国、中南米諸国の複雑な歴史は
この「大航海時代」から始まりました。
先住民が滅ぶと、ヨーロッパ各国は
アフリカで奴隷を手に入れ、カリブに送るという
悪名高き「三角貿易」を開始します。
この詳しいお話もそのうちしたいと思うので
気長にお待ちください。
アフリカより奴隷船で移送され、きつい労働を強いられ、
伝統的な信仰や言葉、文化を捨てさせられた
黒人奴隷たちを慰めてくれていたのがラムでした。
ラムに陽気なイメージがあるのも、
このお酒が日々の過酷な労働を忘れさせてくれて、
楽しく騒ぐための唯一の方法だったことが
原因なのかもしれませんね。