銀幕の雫: テキーラセミナー 後編

2010年3月12日金曜日

テキーラセミナー 後編

さて、テキーラセミナーまとめの2日目です。

前回に引き続き内容の濃いものとなっていますので、
じっくりとどうぞ。

■熟成
$銀幕の雫
テキーラで使用する樽に関しては、
それほど厳しい決まりが無いそうで、
沢山熟成できる大きなタンクから、
シェリーやウィスキーなどの樽も熟成に使われています。

ポルフィディオは主に200リットルの小さなたるを使用し、
たるの内側は、バーボンのように機械的に一気に焦がす「チャー」ではなく、
ゆっくりと時間をかけて手作業で焼く「トースト」を行います。

使用される樽の多くは、
アメリカミズーリ州のアメリカン・ホワイトオーク樽や、
リムーザン、ハンガリアン、ロシアの樽などだそうですが、
ポルフィディオは、アメリカ・オレゴン州の、
アメリカン・ホワイトオーク樽を主に使用しているそうです。

ポルフィディオは最長5年間熟成に使用した後、
インドの会社へ売却し、
インド産のウィスキーの熟成に使われているそうです。

熟成にかける時間は、
テキーラでは決められています。

ブランコ・シルバー:蒸留後に熟成をしないでボトリングした物
レポサド:オーク樽で最低60日間熟成した物
アネホ:オーク樽で最低1年間熟成させた物
エクストラアネホ:オーク樽で最低3年間熟成させた物

長期熟成のテキーラも最近出てきているようですが、
メキシコでは1年に約10%のスピリッツが、
「天使の分け前」として気化してしまいますので、
10年間で樽の中身は空になってしまうそうです。

ちなみにスコットランドでは、
年間に2~3%程度が「天使の分け前」だそうです。

ポルフィディオでは最長5年間、
樽で熟成し、5年以上の熟成の場合は、
ステンレスのタンクへ移し、
更に熟成させるそうです。


ウィスキーファンには、
テキーラは熟成期間が短いようにも感じますが、
メキシコの熱気により年間約10%もが気化してしまう事と、
シングルモルトの年間2~3%程度の気化との違いを比べると、
一年間の熟成度合いの違いがうかがえます。

また、原料のアガベの収穫までに、
8~10年もの歳月がかかると言う部分を考えると、
毎年、種を植えると収穫できる原料との違いにも、
仕上がりの原酒の違いも考えられます。

■ボトリング
$銀幕の雫
粗悪なスピリッツの場合は、
チャコールフィルターを使用することが多いそうです。

ろ過の際に樽のゴミ等と一緒に、
悪い香りまでも一緒に除去してくれるので、
好都合だと言う事。

ポルフィディオはペーパーフィルターを使用し、
スピリッツの香りを最大限に活かす手法を取っているそうです。

■テイスティング

良いテキーラとそうでない物の見分け方として、
12のポイントを紹介してもらいました。

1:セメントの味
 大きなセメントのタンクで貯蔵する場合が多くあり、
 タンクにひび等があった場合、セメントの味わいが、
 テキーラに移ってしまう事があるそうです。
 当然身体にもよくないので、
 セメント風味を感じたら、飲むことをやめましょう!

2:カビの味
 古い樽を使用している場合、
 樽の内側にカビが発生してしまう事もあるそうです。
 アメリカでは6年以上の樽を、
 使用してはいけないと言う決まりもありますが、
 中には安く輸出され、熟成に使ってしまうところもあるそうです。

3:凄く甘い味
 カラメル添加をし色を付けている場合もあるそうです。
 もちろん身体にも良くなく、頭痛がする事もあるとか。

4:バランスの悪い木の香り
 熟成を早く進めるために、
 樽の中にオークチップを入れ、
 ホースを入れて酸素を送り込み、
 熟成を促進する粗悪なスピリッツだそうです。

5:タンニンの味わい
 樽熟成が未熟だと判断した時に、
 タンニンのフレーバーのみを付け加えたりする粗悪品。。

6:苦い味
 テキーラの原料であるアガベは、
 通常8~10年間育てられますが、
 早く収穫してしまった場合、
 ジュースの糖分が不十分なため苦くなってしまうそうです。

7:鉄の様な味
 熟成し終えたスピリッツをタンクへ移し、
 ボトリングをする際に、
 タンクの中や、タンクを繋ぐパイプなどが腐食していたり、
 ステンレスを使用せずに、安い鉄を使っている時に出てしまう味だそうです。

8:プラスティックのような味
 プラスティックのタンクに、
 長期間貯蔵してしまった時に出てしまう味わいだそうです。

9:接着剤のような味
 醗酵過程に問題があり、
 セメダインのような香りが出てしまうんだそうです。

10:ピートのような味
 原料のアガベを焦がしてしまった時に感じる味わいだそうです。
 19世紀のメスカルは、わざとアガベを焦がして造られ、
 ピートのような味わいを持たせたとも言われています。

11:酸味
 りんご酸を添加しさっぱりとした味わいに造った粗悪品。。
 この香りのするテキーラは、飲むとお腹が痛くなるそうです。。

12:焦げた香り
 スピリッツを取り出す際、
 ヘッドとテールの含有量が多いと焦げた香りが強くなるそうです。

以上が良いテキーラとそうでないテキーラを見分ける方法だそうですが、
まずは飲まないと分からないと言う事です。。

ポルフィディオのオススメの飲み方として紹介してもらったのは、
シェーカーにポルフィディオとグランマニエ少々を入れシェイク。

その名もポルフィディオマティーニだそうですが、
なかなか美味しく戴けました。

テキーラの保存方法に関しては、
グラスに注いで飲む際に、
香りを立たせるために、
冷蔵庫に入れないで常温での保存が望ましいと話していました。

ちょっと長くなってしまい、
2回に分けてのお知らせでしたが、
テキーラのこだわりが少しでも伝わればと思います。



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