銀幕の雫: 洞窟内ナチュラル・エイジング

2008年11月24日月曜日

洞窟内ナチュラル・エイジング

インダストリア・リコレラ・デ・クェザルテカ社は
中米グアテマラで1939年に創業。
カカオバニラの風味が強く
ややさっぱりとした甘みで飲みやすいラムを多く作ります。

今回のご紹介は同社の作るマルテコ 15年シリーズ。

黒字のラベルに色とりどりに描かれた鳥は
グアテマラの国鳥ケツァール(Quetzal)と思われ、
自由の象徴として大切にされている鳥です。

ちなみに通貨単位までケツァール(Quetzal)というのは
この赤や緑の色鮮やかな鳥がよっぽど好きなんでしょう。

和名は「カザリキヌハネドリ」
手塚治さんの有名な「火の鳥」のモデルになったそうです。

鳥の話ばかりではなくラムの話ですよね。

このマルテコシリーズは他の元スペイン領の国々とは違い、
モラセスからではなくサトウキビジュースを原料に製造。
連続式蒸留器にて蒸留後、オーク樽にて熟成されます。

その際、標高2500メートルまで樽を運ぶのですが、
これは大体富士山の5合目ほどの標高。
日本では森林限界といわれている高さです。
この高地にある天然の洞窟の中で自然に任せ
ゆっくりと熟成させることで
ラムにスパイスや樽の木の香りが追加されます。

シリーズ全体として、コーヒーやカカオ
それに蜂蜜のニュアンスが少々感じられます。

マルテコ 20年はシリーズ中最も甘口で
糖蜜やコーヒーの風味に少しのバニラを連想し、
どこか同じグアテマラ産のロンサカパを思い出させます。

湿度や温度が安定した高地の洞窟で熟成するから
一年を通じて平均気温20度前後のグアテマラでも
長期熟成が可能なんでしょうね。

マルテコ 10年 40.5度 700ml

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