銀幕の雫: ラムのお話 その壱

2008年11月16日日曜日

ラムのお話 その壱

ウィスキーマガジン#74でラムの特集が組まれ、
デイヴ・ブルーム氏が熱くラムの歴史や製法、
テイスティングを行っていますね。

成城石井では昨年より、
ラムの輸入に力を入れ、
現在は約270アイテムを取り扱っています。

何故、私たちがここまでラムに熱くなったのか?

今までのラムは、カクテルのベースでしかなく、
長期熟成のラムをそのままロックなどで飲まれる方も、
ほんの一握りの方たちでした。
同じスピリッツのジンやテキーラ、ウォッカに比べ、
生産者や商品の情報が極端に少ないためだったり、
カリブ海諸国の複雑な歴史や
広範囲な地域で作られている事による理解のしづらさから
売れなったというのが現状でした。

色々と調べていくうちに、
カリブ海を支配していた文化圏で、
ラムそのものを分類すると、
シングルモルトのような地域別分類と同じく、
理解し易くなったり、


ラムの生産地へ行った事のある人たちの話を聞くと、
やはりシングルモルトなどと通じるところがあったり、

ラムの価格をみると、
高騰が続いているシングルモルトよりも、
遥かに安価で満足出来る味わいが楽しめる!
ここが一番のポイントでしたが、
悪い収集癖が出て、270ものアイテムを集めてしまいました。。。

今まで集めてきた資料や、
聞いてきた話をまとめて、
話せば長くなるラムのお話を、
これから、ちょっとづつ気長に書いていきますので、
暫くお付き合いをお願いします。


前置きが長くなりましたが、
まずはラムの地域別分類から。

カリブ海に浮かぶ島々は、
大きく分けて3つの文化圏で形成されています。

フランス系【RHUM】
マルティニーク島、グアドループ島、ハイチなど
イギリス系【RUM】
ジャマイカ、ガイアナ、バルバドス、トリニダード・トバコなど
スペイン系【RON】
キューバ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、ニカラグア、ベネズエラなど

それぞれの産地のラムを飲まれた事があれば、
その特徴が分かると思いますが、
それぞれの土地で造られたラムは、
領主であるフランス、イギリス、スペインの本国へ送られ、
生産地よりも、それぞれの本国で消費されていました。

本国でより美味しく飲んでもらうため、
フランス系のラムは、コニャックや、
リキュールのベースになるようなフルーティーな味わいに、
イギリス系のラムは、ウィスキーの代用になるように、
スペイン系のラムは、シェリーなどの様に、
味わい深く、飲みやすい味わいに。

それぞれ特徴が良く出ているものが多いです。

最近は蒸留所がボトリングまで行っている所も増えてきましたので、
一概には言えませんが、
意識しながらテイスティングをすると、
結構面白い結果が出ることが多いです。

と、今日は長くなってしまいましたので、この辺で。

さらに製法と熟成方法、期間などで、
ラムの呼び方も変わったりしますので、
複雑に感じてしまいますが、
具体的なラムもご紹介しつつ、
お話していきますので、
気長にお付き合いください。

■ オススメの本 ■
少し古いですが、地域別、蒸留所別にまとまってます。
IFrame

おなじみ。
Dave Broom氏のラムの本
写真が多くて、説明も分かり易い。
IFrame

その他のDave Broomの本はこちら。

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