まだ大阪の酒屋さんで働いている頃。
バブルが弾けてまだ間もない時代の話。。
ウィスキーと日本酒、ワインが売上のほとんどを占めていたころ、
地酒の蔵元へしょっちゅう出かけては
勝手に蔵の中を色々と見たりして楽しい時代でした。
ウィスキーもシングルモルトが台頭し始め、
今では閉鎖蒸留所になってしまったモルトや、
今では中々お目にかかれないモルトを
売れないなぁ~と言いつつ数百アイテムそろえて、
社長に「博物館を作るつもりか!」と、えらく怒られながらも、
まだ余力のある時代でした。
そんな時に起こったのが「O157」
生物を扱うお店が大打撃を受けて、
寿司屋さんでカレーを出していたことも。。。
売上の中心に居た日本酒が売れなくなり、
さぁどーしましょ!?と言うことになった時に、
身近にありながらも未知の世界だった焼酎の掘り起しを始めました。
まずは10日間ほどの九州巡業の旅。
福岡に入り、レンタカーを借りて、
当時はまだカーナビなんかなく、地図を膝に載せつつ九州一周。
NETもそれほど普及していなかったので情報も無く、
手当たり次第に酒屋さんに入って見たことも無い焼酎を買い漁りました。
で、買って帰ったのが400本ほどの焼酎。
原料別に並べて、片っ端から試飲。
3日ほど掛けて試飲をして、面倒なので◎○△×の4段階評価。
ストレートとお湯割り、水割り、ロックで試してみて、
お酒の弱い私には辛い試練でした。。。
◎と○が付いた焼酎のラベルに書かれている住所や電話番号へ連絡して、
もう一度九州へ。
清酒の造り方はしっかり頭にあったので、
それらを元に焼酎の蔵元さんと話をしていると、
なんだか雰囲気と言うか、話のニュアンスが清酒と比べると柔らかい。
暖かい気候のせいなのか?
まだ大阪では売られていない銘柄が多かったためか?
「おらの酒が大阪で売れんのかぇ?」と向こうも半信半疑。
まぁそんな事言わず、まずはトライアルで販売させてください!と、
数本から直送してもらい100アイテム近くの焼酎を一気に仕入れて販売し始めました。
もちろん社長には「また博物館を作るつもりか!」とえらいお叱りを頂きましたが。。。
いつもはモルトやバーボンを買われるお客さん、
いつもは日本酒を買われるお客さん、
顔見知りの常連さんに声を掛けて「とにかく飲んでみて」と
半ば強引に焼酎を色々と飲ませ、
原料別、飲み方別で飲んでもらいながら、
蔵の写真やら、蔵元のオッサンの写真やら、蔵の周りの写真を見せつつ、
半年ほどかかりましたが、何もしなくてもボチボチと売れるようになって来たときは嬉しかった事を覚えています。
そーこーしてると焼酎ブームがやって来て、
せっかく集めてきた焼酎があちこちで販売されるようになって、
東京でも売れるようになって、
蔵のオッサン達もいつの間にか標準語を話すようになって。。。
まぁ気に入った焼酎たちが、あちこちで人気になったのは嬉しかったですが、
ちょっと焼きもちしたい気分になってました。。。
と、何でこんなにだらだら書いたかと言うと、

京屋酒造 芋焼酎 甕雫
https://www.seijoishii.com/d/53836懐かしいあの頃の焼酎がうちのNETページでも販売が出来るようになって、
すっかり春の陽気にやられて、昔話を思い出してました。。。
あぁ~こう言うのをダラダラと人に言いたくなるっつーのは
オッサンになった証拠よなぁorz
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