銀幕の雫: 9月 2006

2006年9月30日土曜日

マーダーボールと言う映画

54addcb4.JPG試写会のチケットを戴いて見てきました。
前評判、前知識一切持たずに試写会チケットの写真と
コメントのみを見て、それほど期待せずに開場へ。


車椅子に乗って行うハードな車椅子ラグビーの映画で
2005年のアカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品らしい
ドキュメンタリーと言うことでじみぃ~な映画を予想していたが
オープニングからハードな音楽をバックに流しながら
服を着替えて出かける準備をするシーンから映画は始まる。


ただ、ズボンをはきかえるだけなのに両足が不自由で
両手の握力があまり無い人には結構大変なんですよと言うシーンで
今から始まる1時間25分の主役たちの立場を理解させられ
マーダーボールと呼ばれるパラリンピックでも正式種目のゲーム内容を
端的に分かりやすくアニメを交えながら解説し
2002年の世界大会から物語は始まる。


元々はアメリカ代表チームでスターだった選手が高齢と言うことで
チームを首になり、まだやれる!と言う意地を監督と言う立場で見せつけようと
最大のライバル カナダの代表チームに監督として就任する。


マーダーボールと言う競技はカナダで生まれて
世界大会が行われるようになってからずっとアメリカが連勝中だったが
彼がカナダへ行く事によって2002年の世界大会でカナダが初優勝!


初めて敗北を味わったアメリカチームが屈辱を晴らそうと
2004年のアテネ・パラリンピックへ向けて猛練習を始める。


選手達の普段の生活や練習、ボランティアの風景などを
引きの映像をあんまり使わずに顔をアップで撮るショットが多く
仲間内で話す普段の会話中の顔や、ボランティアで子供たちに車椅子での生活が
大変そうに見えるけど俺たちにとっては普通やでぇと説明する顔
彼女と一緒に遊ぶ顔、試合前になって集中してる顔などが撮られていて
登場人物それぞれへ見ている側も感情移入して行きやすい


遂にやって来た2004年のパラリンピック
自分の名誉と一度勝ち取ったアメリカからの勝利を返上すまいと
気合の入るチーム・カナダと金メダルのみを取るためにやって来た
チーム・アメリカの戦いが準々決勝で再現された


柔らかく流れる音楽と画面に表示されるカウントダウンされる試合時間
カナダとアメリカの得点を見ていて思わず手に汗握ってしまう


試合の裏側にもいろいろな物語があり
車椅子生活を強いられる原因となった当事者と家族や恋人が
それぞれの登場人物と複雑に絡み合って
誰もがヒーローでもなく、被害者でもない
応援してくれる周りの人たちと家族
それと自分自身


映画の最後には試合とその裏側の事たちがすべて一つになり
感動を与えてくれる。


全部が全部事実の物語?と疑いそうにもなるが
真実は小説より奇なり
素直に感動して泣ける映画でした。
http://www.klockworx.com/murderball/site.html









2006年9月11日月曜日

5年

e08ddcce.jpgあれからもう5年
初めてみたあの衝撃的な映像は
映画かドラマのワンシーンのようにも見えてしまうほど
私たちの危機管理や空想の世界とはかけ離れた事実が
オンタイムで全世界へ配信された。

私の大好きな街ニューヨーク
活気があり、昔と比べて遥かに安全になり
とってもフレンドリーになり
いつでも誰でも受け入れてくれる街になっていました

世界の中心とまで言われるほどの街にある
象徴的なビルを狙った
忘れられない出来事からもう5年
あれから私たちは何を考え何をし
何を教訓として残してきたんだろ

3年前の冬ニューヨークを訪れた時には
巨大なサーチライトで光のモニュメントを造り追悼し
去年訪れた時には
再開発が進み、パスの駅が出来上がり
新しいビルの基礎工事が進んでいましたが
あれほど優しい街になっていたのに
なんだか疲れ、ピリピリとした雰囲気が
世界を引っ張っていたはずなのに
誰かに助けを求めるような雰囲気も感じられました。

世界の中心地であり、経済の中心でもある街の
あの場所が、これからどういう立場になり
どういう場所になっていくんだろ
そこを訪れた誰もが
あの時の苦しさと辛さを忘れずに
その瞬間から憎しみを持たず
助け合い、与え合い、幸せを感じて
生きていけるようになれる
そんな場所になって欲しいです。



合掌