銀幕の雫: 12月 2005

2005年12月26日月曜日

SAYURI

7af42ffb.jpg外国人が見た日本 でもなく
主人公とメインのキャストに外国人が多い と言うのでもなく
ただただ純粋に146分間 シートに腰掛けて
気持ちよく時間が過ぎるのを感じられた映画でした


このシーンはロケかなぁ?
これはセットかなぁ?
なんてどうでもいいやん だって綺麗なんだもの


日本語と英語がごちゃ混ぜで
「カボちゃん」って名前が「パンプキン」になってたり
英訳出来ない単語や簡単な会話、ところどころ日本語で大半が英語
日本人の私たちはいいけれど 日本語圏以外の人たちはどう感じるんだろ?


しだれ桜が印象的で
冷たい雨が感じられる石畳が月夜に映えて
お稲荷さんの鳥居が幻想的で
敢えてスピルバーグが監督しないでよかったんじゃない?とも


でも
劇場2作目のロブ・マーシャル監督が
こんなに心に残る作品を撮ってくれて
今年の最後の作品にしてくれて
ほんとにありがとう!って感じでした


主役のチャン・ツィイー26歳
「グリーン・ディスティニー」
「HERO」
「LOVERS」と
アン・リー監督、チャン・イーモウ監督に鍛えられ
ウォン・カーウェイ監督の「2046」に続く世界制覇
あの演技は日本人女優ではやはり無理だったんでしょうね


しっかりと脇を固めた
ミッシェル・ヨーとコン・リーの存在感は偉大で
遂に!と言う感じの桃井かおりさんは貫禄たっぷりの演技で
登場する度に存在感抜群!
「shall we dance?」でハリウッドでも有名になった
役所広司さんが この作品でハリウッドでビュー
お二人のこれからの活躍に期待大!


すっかり溶け込んでいたケン・ワタナベさん
ハリウッドのお気に入りのひとりになったんじゃない?
「バットマン」に続く登場
この調子で行くと 日本のテレビドラマ等ではもうお目にかかれないような
大スターになるでしょうね!
次はどんな役に挑戦するんでしょ?!


でも一番の存在感は「SAYURI」の子供時代を演じた
大後寿々花さん
「北の零年」で映画デビューしてこれが2作品目
青いコンタクトを入れて 物憂げな視線としっとりとしているような
でも子供らしい演技がたまりませんでした


来年のアカデミーには続々と大作が揃いだして
さてどうなるでしょうか?


この「SAYURI」をプロデュースだけした
話題の人スピルバーグはと言うと
前作「宇宙戦争」の雪辱?を果たすべく実話を映画化
1972年のミュンヘン・オリンピックでの
イスラエル選手団襲撃事件とモサドの復讐劇
いったいあの人はどっちの方向へ走っていくのでしょうか...?
「E.T.」の様なファンタジーをもういちどっ!!


話は元に戻って 「SAYURI」舞台は戦前を中心に戦後も少し
芸者さんを上げながら飲むお酒はレトロなラベルが貼られたビールが登場
銘柄までは分かりませんが 当時は高価な飲み物だったのかしら?
急須から注がれる お燗のお酒も効果的に使われるシーンがありました


そんなこんなの「SAYURI」DVDが出たら是非手元に置きたい一本でした!


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と すごくいい作品だったのに
選んだ劇場が悪かったのか?
私の運が悪かったのか??

新宿歌舞伎町 新宿ジョイシネマ2
もぉ最悪でした!
映画が始まると ロビーの自販機にジュースを補充する
ガランガラン ジャラジャラ...という騒音が響きまくり
後ろの席に座ろうとする人の頭の影がスクリーンに映りこみ
まぁ CMの間だったからまだいいけど


映画も後半さぁここから!と言うときに
隣に空いた席があって その場所へオヤジが
「ここあいてますか?」と普通に話しかけ
どかんっ と座ったと思ったら す~す~と寝息...
最終の盛り上がりの時には ガーガーいびきをかいてました
途中から客を入れるなよ!
注意はしたものの すっかり寝入ったオヤジはびくともせずに
エンドロールがあがり始めると何故か目覚めて立ち去っていったのでした...


せっかくいい映画だったのに 劇場のせいで面白みも半減

と ちょっと愚痴りたかった

2005年12月20日火曜日

キング・コング

b89507cb.jpg待ってました!
今年一番と言って良いほどの待望の作品
「キング・コング」
純粋に映画が好きな監督が
子供の頃に見て
純粋に興奮し、感動し 映画に憧れた作品


1933年に始めて映画化され
その後3回も続編とリメイクが繰り返され
今年 LOTRで大成功を納めた
ピーター・ジャクソン監督が
今の映画で出来る限りのCG、VFXを駆使し
自分の全精力を注ぎ込んで造られたこの作品


3時間と8分


賛否両論はあるだろうけど
私は十分以上に楽しめました!
当日チケット1800円
この作品になら2500円でも払っても良い!


オープニングから出発
 ちょっと前置きが長いかな?とも思えますが
後の続きを考えるとこれくらいは必要か
「スクール・オブ・ロック」でいい味出してたジャック・ブラックが
ピーター・ジャクソン監督が、きっと自分を映し出してると思われ
見ていて どうもダブってしまう


長尺の映画は島「髑髏島」に着いた時点から加速され
展開がどんどん早くなっていく
 首長竜が群れをなしている所に 肉食恐竜が現れ
人間共々 細い谷間を逃げ惑う
恐怖を超えると笑えてしまう すんごい迫力!
 谷間に落ちたら今度は巨大化した虫に襲われ寒気が襲い
 T-REXならぬ、進化したV-REXが
美女を守ろうとするコングに執拗に襲い掛かる
 一番たちの悪い敵「人間」に遂には捕まり舞台はマンハッタンへ


ストーリーは昔の作品、勿論原作を遂に映画化した!って感じ
物語の展開、次はどうなるか?って 勿論分かってはいる物の
ついつい手に汗握る 見ていて純粋に楽しめる今年の最高傑作!
来年の春 赤絨毯を自信満々に歩き
スターが見守る 選ばれし者しか上がれないステージの上で
またもオスカーを嬉しそうに掲げるピーター・ジャクソンの顔が浮かびそうでした
大きなスクリーンで 大音響の中で映画を見ると言う楽しみを
この「キング・コング」で改めて実感させてくれました


作品の中で登場したお酒と言えば
「ジョニーウォーカー赤ラベル」
木箱に詰められ ティンキャップと言うこだわりよう
mr.&mrs.スミスに続きジョニ赤の登場
アメリカのスタンダードスコッチだったの?
まぁ、舞台は1930年代初頭
アメリカは禁酒法の時代で オープニングにも
ムーン・シャイナーが摘発され 蒸留器が潰されるシーンまであり
これも監督のこだわりなのかな?

2005年12月8日木曜日

Mr.&Mrs. スミス

4e030728.jpgこの冬の目玉作品の一つ
やっと公開され 人気の俳優二人と
「ボーン・アイデンティティー」
「ボーン・スプレマシー」と連続ヒットを飛ばした
ダグ・リーマン監督が
軽快で何も考えずに楽しめる作品を作ってくれました


「キング・コング」に先立って公開されたこの作品
大掛かりなCGは無いものの
派手なアクションシーン満載で
見ていてすっきりしてしまいます


ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが
であったとたんに一目ぼれ
お互いの本当の素性を知らないままに結婚
それから5~6年 結婚生活も冷えてきた頃から
物語がスタートします


実は二人とも エージェントは違うものの
やり手のヒットマン
雇う側のエージェントが手を組んだために
夫婦であるこの二人が邪魔に
お互いに始末せよという命令が下るが
力をあわせて組織に立ち向かっていくという
とっても単純なストーリー


アンジェリーナ・ジョリー扮するジェーンが
ブラット・ピット扮するジョンも殺し屋だと知り
どちらかが消えなければエージェントから狙われる
愛していなかったはずの夫婦が
いざこういう立場に立たされると
やはり相手のことを愛していたのだと知る
その葛藤を紛らわせるために
ジェーンが一人飲んでいたのが

ジョニーウォーカー赤ラベル


No.1ヒットマンが一人で飲む酒は
こんなにチープなの?
もうちょっと いいものをチョイスしてほしかった~
アイリッシュのこだわりウィスキーや
シングルモルト
やっぱりバーボン?
それともわざと 安酒にしたのかな?


でも、ガンマニアにはたまらない戦闘シーンの数々
クリスマスシーズンにはもってこいの一本でしょう!

2005年12月2日金曜日

エリザベスタウン

ce7efe65.jpg見に行きましょう!と
誘われるまで 何の予備知識もなかった映画


大好きなキャメロン・クロウ監督作品!
2001年の「バニラ・スカイ」以来の
劇場作品は 妻であり 音楽監督でもある
ナンシー・ウィルソンが誘ったケンタッキーへの旅が
きっかけだったそうです


クロウ監督らしく 素敵な音楽がいっぱい詰まった
優しい雰囲気の映画でした


主役はL.O.Rシリーズでレゴラス役を演じ
「パイレーツ・オブ・カリビアン」
「トロイ」
「キングダム・オブ・ヘブン」と
現代劇とは疎遠になってた彼が
いい味出してました


相手役にはスパイダー・マンで大ブレイクした
キルスティン・ダンスト
ブサイク・カワイイ ビミョーな雰囲気が
どの作品でも目を引いてしまう彼女
今回もそんなオーラを全開してました!


仕事に失敗し、父親がなくなり
生まれ故郷へ向かう事になった
O・ブルーム演ずるドリュー
飛び乗った飛行機で出会ったスチュワーデスの
K・ダンスト演じるクレア
舞台になる所は ケンタッキー州のルイヴィル
そう バーボンの故郷でもあります


強引なアプローチでドリューが彼女に惹かれ
夜通し電話越しに長電話
そのシーンでダンストが着ていたTシャツが
赤いメーカーズマークのシャツ
ドリューといとこが久し振りに交わす酒は
ケンタッキーダービーの記念グラスに注がれた
ブラントン


さすが!バーボンの故郷!!と こんな所に感動したのは
私だけ???


キャメロン・クロウの映画ではやはり音楽も気になるところですが
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
エルトン・ジョン
などなど 聞いた事はあるけど
これ誰の曲?ってのが多かったような気が
映画の後半はこれらの音楽がとっても重要な役目を
果たしてくれて 見ていて気持ちよかった!
サントラのジャケットも
映画の雰囲気とポイントをしっかりと抑えていて

先日見た「インハー・シューズ」と言い
今回の「エリザベスタウン」
ハート・ウォーミングな映画って良いですね!


と言いつつ
年末作品の「キング・コング」
めちゃくちゃ楽しみです!!